デンタルファイルNo.29 6歳臼歯について
6歳臼歯の生える時期
6歳頃になると6歳臼歯と呼ばれる"第一大臼歯"が、乳歯列の一番奥に生えてきます。同じ頃、前歯が乳歯から永久歯へと交換が始まります。永久歯の生え換わりの時期は個人差があり、6歳以前に始まることもあれば、6歳以降になることもあります。
6歳臼歯の重要性
6歳臼歯は「噛み合わせの鍵」とも言われ、永久歯の中で最も大きくて、噛み砕く力が一番強い歯でもあります。また、永久歯の歯並びや噛み合わせの基本となり、顎や顔の形まで決定する重要な歯なのです。大人になり、この第一大臼歯を失うのが早ければ早いほど、口の機能は弱くなり、歯全体の命を握っていると言っても過言ではありません。
6歳臼歯はむし歯になりやすい
6歳臼歯は歯列の一番奥に生えてきますが、歯肉から顔を出してから上下の歯が噛み合うまでに、約1年くらい時間がかかります。最初は歯肉がかぶさった状態で、その中で食べかすが溜まることがあります。完全に生えるまでは、噛み合わせ部分の位置が他の乳歯に比べ低く、歯ブラシが届きにくいため、幼児が自分自身で上手に磨くことはできません。また生えたての歯はとても歯の質が弱く、6歳臼歯の噛む面の溝は複雑な形をしているうえ深いので汚れが溜まりやすく、大変むし歯になりやすいと言えます。
6歳臼歯のむし歯予防
歯全体の命を握っている6歳臼歯ですが、その6歳臼歯が生えてきたらまずむし歯予防を心がけることが大変重要だといえます。
- 歯みがきは口をやや閉じ気味にして、歯ブラシを横から入れると噛み合わせ部分がみがきやすくなります。必ず保護者の仕上げみがきが必要です。
- 砂糖を含んだ甘いお菓子や飲み物は控えめにし、おやつの時間を決めます。
- 歯科医院で定期的にチェックを受けるとともに、フッ素塗布をして歯質の強化をはかります。
- 歯科医院で、歯の溝をあらかじめ埋めてしまうシーラントを行います。この場合は溝のみのむし歯予防で、歯と歯の間や歯肉との境目のむし歯予防にはなりません。
以上のことに注意しながら、6歳臼歯を大事にしていきましょう!