デンタルファイル

デンタルファイルNo.26 離乳とむし歯予防

母乳哺育

あかちゃんは、お乳を吸うための反射(原始反射)が備わり生れてきます。生れて直ぐ口にするのが母乳です。

母乳には感染性の病気を予防する成分が含まれ、その成分はあかちゃんの成長に適しています。また母子相互の心理的効果があるなど、母乳にはたくさんの長所があるので、ぜひ母乳哺育をしたいものです。しかし、母親の健康状態が悪かったり、仕事を持つなどしている場合は、人工乳哺育となります。最近では人工乳も改良され、成分も母乳にひけをとらなくなってきたので、安心して人工乳哺育ができるようになりました。

離乳初期

生後4~6か月くらいになると、原始反射はみられなくなってきます。この頃になるとあかちゃんの口には歯が生え始めてきます。この時期が離乳の開始に適した時期といえます。それまで母乳を飲んでいた赤ちゃんは、食べ物が口に入っても上手にゴックンすることがわからず、食べ物が口からこぼれてしまうこと多くあります。食べ物の形態はドロドロで粒がなく、粘り気のあるヨーグルト状の物を与えます。

離乳中期

7~8か月のあかちゃんは、段々と口をしっかり閉じて飲み込むことを覚えてきます。この頃には食べ物が口に入ると舌の先端と上顎の前方で挟み込み、食べ物の形状を確かめながら食べることをします。指でつぶれる程度の根菜類の煮物や豆腐、茶碗蒸などが適当です。

離乳後期

9~11か月になると、歯茎を使って潰して食べるようになります。また乳前歯を使い、自分に合った一口の量を覚えてかじり摂りをして食べます。またスプーンやコップの縁を唇で挟みながら、水分を調整して飲むことができるようになります。

離乳完了期

12~15か月になると、形のある硬い食べ物が食べられるようになります。この頃になると手づかみ食べとともに、スプーンなどの食器も使い始めるようになり、食べこぼしをしながら段々と上手に食べられるようになります。

乳臼歯が生え揃う頃には、大人と同じようなものが食べられるようになりますが、噛む力はまだ弱いため、食べ物の硬さや大きさ潰しやすさなどを注意して与えるように気をつけましょう。

離乳期のむし歯予防

歯が生えていない頃はあまり神経質になる必要はありません。ガーゼなどで優しく拭うくらいで充分です。

離乳が始まり、乳前歯が生えてきたら歯みがきを考えなければいけません。しかし、口の中心にある前歯は大変過敏なところですので、いきなり歯ブラシでゴシゴシやってしまうと、歯みがき嫌いになりかねません。まずは歯ブラシをカミカミして慣れさせることが大切です。嫌がらずに受け入れてくれるようになっらた自分でまず磨かせて、その後お母さんがひざの上に寝かせながら、仕上げ磨きをすることが大切です。お母さんは鉛筆を持つように歯ブラシを持ち、細かく優しく丁寧に磨いてあげましょう。