デンタルファイルNo.18 清涼飲料水とむし歯
夏の暑い時期やスポーツなどでのどが乾いた時、清涼飲料水(ジュース)を買って飲むという方も多いと思います。意外と知られていないのが、ジュースには多量の砂糖が含まれているという点です。
炭酸飲料の代表であるコーラやサイダーの缶1本(250ml)には、24gもの砂糖が使用されていますが、これは3gのペットシュガーに換算するとなんと8本分に相当する量となります。砂糖がむし歯の原因となることはよく知られていますが、缶ジュース1本で板チョコレート1枚にも相当する砂糖を摂取していることをご存知でしょうか。
健康に良いと思って飲んでいるスポーツドリンクや市販の果汁100%のジュースにも多くの砂糖が含まれています。スポーツドリンクの缶1本(250ml)には、16gの砂糖が使用されていますが、先ほどの3gのペットシュガーに換算すると5本強となります。
また、100%の果汁には砂糖が含まれていることを、結構知られていないようです。これが100%果汁の落とし穴でしょう。スポーツドリンクや果汁100%だからと安心したり油断して、ペットボトルなどでちょくちょく飲んでいたり、寝る前に飲んでいれば、むし歯はどんどん増えてしまいます。
こどもの下痢や発熱時にアルカリイオン飲料を小児科医に勧められて、病気が完治した後もそのまま習慣として飲むようになったという話をよく聞きますが、気をつけたいですね。
最近はペットボトルが普及し、常に持ち歩いてのどが渇く度に少しずつ飲むという人が増えています。これがミネラルウォーターやお茶であれば何の問題もありませんが、ジュースやスポーツドリンクになると問題です。
口の中は常に唾液によりきれいに洗い流され、PHが中性に保たれていますが、ひんぱんにこれらを飲むことにより糖分が口の中にとどまり、口の中は酸性に傾き、歯の表面が溶かされむし歯が広範囲に広がっていきます。
「清涼飲料水は砂糖水」であることを意識し、
- 頻繁に飲まず、回数を減らす
- 飲んだ直後に寝ない
- 短時間で飲んでしまう(乳幼児の場合、哺乳ビンにジュースを入れて飲ませない)
などの点に注意して、お口の中の環境が悪くならないよう上手に摂取することがむし歯にならないためのポイントです。もちろん歯磨きも忘れずに!
これから季節は冬に向かっていきますが、寒い時期の温かいコーヒーはほっとしますね。ちなみに、缶コーヒー1本にも同じく24gの砂糖が含まれていますので、ご承知ください。