デンタルファイルNo.17 歯みがき剤のはなし
歯みがき剤は、歯ブラシによる歯みがきを助ける役割を持ちます。私たちが日頃使っている歯みがき剤の成分には何が入っているのでしょうか。
- 研磨剤 配合量(%)10~50
歯の表面を磨き、歯垢や食べカスを落とす - 湿潤剤 配合量(%)10~70
歯みがき剤に湿り気を与えクリーム状にする - 発泡剤 配合量(%)0.5~2.0
歯みがき剤を拡散させ、汚れの除去を助ける - 粘結剤 配合量(%)0.5~2.0
成分の分離を防ぎクリーム状にする - 香味剤 配合量(%)0.1~1.5
すきっとした爽快感を与える - 着色剤 配合量(%)~0.1
色をつける - 保存料 配合量(%)~0.1
酸化や変色を防ぐ
歯みがき剤にはこのほかに、むし歯や歯周病の予防効果を高めるものとして、フッ素・抗炎症剤・殺菌剤・酵素剤・歯石予防剤などの薬用成分が配合されたものがあります。しかし、その効果を期待し過ぎるのも危険です。すべてのむし歯や歯周病を歯みがき剤が治してくれるようなことはないからです。
歯みがき剤を使用すると、研磨剤や発泡剤や香味剤の作用で「口の中が泡立って長時間磨けない」「爽快感が先に立ってしまい、磨けていると錯覚してしまう」などのマイナス面があります。また、歯みがき剤のつけ過ぎによる、歯の磨耗症もあげられます。それらを避けるためには、磨きはじめはは何もつけず、途中から少しつけて磨くという方法があります。現在、歯みがき剤はペースト状のものが主流となっていますが、研磨剤や発泡剤の入っていない液状のものも多く市販されています。泡立ちが気になったり、長時間しっかり磨きたい人には、液状のものを使ってみるとよいと思います。
むし歯や歯周病を防ぐには、歯垢をしっかり取り除くことが必要です。それにはまず、正しいブラッシング方法でしっかり丁寧に磨くことが大切で、歯みがき剤はそれをサポートする歯ブラシのよきパートナーと考えるとよいと思います。
上手に歯みがき剤を使用し、むし歯や歯周病予防に心がけましょう。