デンタルファイル

デンタルファイルNo.14 歯周病とタバコ

タバコを吸うと、「肺ガン」や「心疾患」などにかかりやすいことはすでに多くの方がご存知のことと思います。しかし、「歯周病」や「口腔ガン」に対して悪い影響を与えることについては、あまり知られていないようです。最近では歯周病と全身疾患との関係があることがわかってきました。

喫煙者が歯周病にかかると非喫煙者に比べ重症化しやすく、また非常に治りにくくなります。

では、喫煙がどのように歯周病に影響するのでしょうか。

  1. 歯にヤニと呼ばれるタールが付着し、歯周病原因菌の集合体(バイオフィルム)が付着しやすくなる。
  2. ニコチンの血管収縮作用により歯肉の血液の流れが悪くなり、酸素や栄養の不足をまねく。
  3. 白血球の機能が減少し、細菌と戦う能力が抑制される。治癒に必要な細胞の働きを抑制する。

以上のことなどがあげられます。

歯周病は近年、さまざまな全身疾患の原因となることがわかってきました。

タバコと肺がん、狭心症や心筋梗塞など心臓血管系疾患との関係、妊娠中の喫煙による低体重児の出産などはよく知られています。最近有名なものとしては心臓病がありますが、他にも脳卒中や、肺炎、糖尿病などの原因であるとされています。

歯を多く失うほど歯周病が進行してしまってから治療を始めても、決して元通りにはなりません。歯周病を本気で直すには禁煙も必要です。