デンタルファイル

デンタルファイルNo.13 歯周病のはなし

むし歯と同様、歯を失う原因の一つに歯周病があります。歯周病とは、歯肉や歯槽骨など歯を支えるまわりの組織全体に起こる病気の総称です。歯の表面に付着したプラーク(歯垢)は細菌の塊で、むし歯ばかりではなく歯肉に炎症をもたらし歯周病の直接の原因にもなります。

歯周病の初期、歯肉炎の段階では、歯肉が赤く腫れたりちょっとした歯磨きなどで出血したりします。この段階なら、毎日の正しいブラッシングや歯垢の除去で健康な歯肉を取り戻すことが可能です。

炎症が進み、歯周炎の段階になると、歯と歯肉の間に深い溝(歯周ポケット)が形成され、歯を支えている歯槽骨も溶かします。軽度では歯肉が腫れ、急に痛むこともありますが、中・重度になると歯肉はさらにぶよぶよと腫れ、膿が出たり歯根が露出し歯がグラグラするようになります。そして、最終的には歯が抜けてしまうこともあります。

こうなると、ブラッシングや歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使用して自分自身でプラークを除去すること以外にも、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士から歯石の除去やルートプレーニング(歯根面の滑沢化)、外科的な処置や歯に加わる力の調整などの治療を受けることが必要になります。

最近では歯周病を生活習慣病としてとらえるようになってきました。 喫煙や糖尿病、不規則な生活やストレスなどにより歯周病が悪化することがわかってきたからです。また、年齢とも関係があり、年齢が増すごとに罹患率もあがってきます。

つまり、歯垢中の細菌が原因となって感染はしますが、発病し、発症・進行するかどうかは、その人その人の生活習慣や年齢にも左右されます。予防するにはプラークの除去と生活習慣の改善の両方への対策が必要になります。

歯周病治療は、歯科医院でしかできない治療もありますが、それだけで治すのは無理な病気です。規則正しい生活、毎日の正しい歯みがきが何よりの治療であり、予防になります。長い目でみてじっくり取り組んでいきましょう。