デンタルファイル

デンタルファイルNo.11 入れ歯の手入れ

入れ歯には、自分の歯が残っている場合に歯を失った部分に入れる「部分床義歯」(部分入れ歯)と歯が一本も残っていない場合に入れる「総義歯」(総入れ歯)があります。

「部分床義歯」の場合は、残っている歯の手入れも重要です。歯を失うと口の中の形態が複雑になり、清掃しずらくなります。また、クラスプ(バネ)がかかっている歯には汚れがたまりやすく、入れ歯にかかる力の負担も加わるため、厳しい環境になります。 歯ブラシの方向を変え、1本1本ていねいに残っている歯の汚れを落とします。

入れ歯の手入れの方法としては、毎食後はずして義歯用歯ブラシ(なければ普通の歯ブラシ)で磨きます。入れ歯を落とさないようにしっかりと持ち、歯の部分だけでなく、粘膜にあたる部分も念入りに清掃します。この時、力を入れ過ぎると入れ歯が磨耗してしまうことがあるので気をつけます。「部分床義歯」は、クラスプ(バネ)の部分にもプラークが付着していますが、複雑な形をしているので指先を添え変形や損傷に注意して清掃しましょう。

入れ歯は、基本的に夜寝る時ははずします。乾燥すると変形してしまう恐れがあるので、よく清掃した後、専用の容器に水を入れ保管します。義歯表面の小さなくぼみにつく汚れや臭いなどには定期的に義歯洗浄剤を使うと効果的です。

体の入り口である口を清潔にすることは、体全体の健康と深く関わってきます。「全部床義歯」の場合はむし歯や歯周病の心配はありませんが、全身のことを考えると口の中を清潔に保つ必要があります。入れ歯を細菌の温床にしないためにも、毎日のきちんとした手入れがかかせません。

また、顎の骨は歯を抜くと少しずつやせてくるため、最初は合っていた入れ歯も少しずつ合わなくなってくることがあります。入れ歯も定期的に歯科医院での点検・調整が必要です。