デンタルファイル

デンタルファイルNo.6 シーラント1

奥歯の噛み合せにはたくさんの溝があり、歯垢など汚れが溜まりやすいためむし歯になりやすいと言われています。この溝は単なるくぼみではなく、深く切れ込み状になっていることが多く、溝の幅は歯ブラシの毛先よりも狭い場合があります。そのうえ立体的な形態をしているため、歯磨きをしても歯垢が完全に除去されずにむし歯になってしまうのです。

そこで溝からのむし歯を予防する『シーラント』という処置があります。シーラントとは溝の部分にシーラント剤(プラスチック系の材料)を入れ、溝を浅くし歯垢など汚れを溜まりにくくし、また掃除しやすいようにする処置です。

本来ならば萌出してきた歯に対して、何ら処置をすることなく、自然のままで生涯過ごせるのが理想ですが、さまざまな理由によりシーラントを行った方が良いケースが多いのが現状です。

例えば、乳歯・永久歯ともに萌えたての歯は歯質が弱くむし歯になりやすいことや、溝が複雑な奥歯は汚れが溜まりやすいためシーラントに適しています。まずは歯科医院でシーラントを行う必要があるかどうかを診てもらうことが必要です。

シーラントでのむし歯の抑制効果は、40~70%の抑制率とも言われていますが、一度処置を行えばむし歯にならないというわけではありません。日ごろの食生活や歯磨きなどに気をつけ、定期的に検診に行くことが大切です。

その他に汚れが溜まりやすい場所は歯と歯の間や歯と歯肉の境目があります。これらの部分にはシーラントはできませんので、必要に応じてフッ素塗布や糸ようじの使用をお勧めします。